タイのEC市場、今年は25~30%増 ネット通販利用者増大の見通し

スマートフォンを操作する女性。タイはスマホの普及や通信インフラの整備推進などに伴いEC市場が拡大している=バンコク(ブルームバーグ)
スマートフォンを操作する女性。タイはスマホの普及や通信インフラの整備推進などに伴いEC市場が拡大している=バンコク(ブルームバーグ)【拡大】

 タイの電子商取引(EC)市場が拡大を続けている。タイEC協会は、2017年に同市場が前年比25~30%増で成長すると予測する。スマートフォンの普及や通信インフラの整備などに伴い、インターネット通販の利用者増が見込まれることが主な要因だ。同市場には外資の参入が相次いでおり、地場EC業者は外資勢との熾烈(しれつ)な競争を強いられるとみられている。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 地場EC大手タラッド・ドットコムの創設者で同国EC協会会長のパウット氏によると、現在、同国のネット通販利用者は1000万~1500万人、ネット上の販売店数は100万店に上る。同氏は、販売業者のサービス向上に加え、物流網の整備などにより、EC市場の拡大がしばらく続くとの見方を示した。

 同国は、政府が発行する身分証明書(IDカード)を利用した電子決済システム「プロムペイ」が今年から導入される見通しだ。IDカードを使って銀行口座からの送金が可能となり、電子決済の利用拡大が見込まれ、EC市場の成長を後押しするとみられている。

 パウット会長は、外資企業が事業攻勢を強め、地場EC業者との競争が激化すると指摘する。中国のEC最大手アリババグループは昨年、シンガポールを拠点に東南アジアでEC事業を展開する独系ラザダ・グループを10億ドル(約1129億円)で買収した。アリババはラザダを通じてタイ市場で中国製品の販促強化に乗り出す。また、シンガポールのECサイト「ezbuy」の運営企業もタイでの事業拡大に注力する。

 パウット会長は、競争激化が必至となるなか、地場EC業者は商品の品ぞろえやサービス力など、各社の強みを生かした戦略を構築することが急務だとしている。(シンガポール支局)