【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領による中東・アフリカ7カ国からの入国一時禁止で、イエーツ司法長官代行は30日、合法性に確信が持てないとして、司法省にこの大統領令を擁護しないよう求めた。トランプ氏はこれを不服としてイエーツ氏を解任し、バージニア東部地区連邦検事のダナ・ボエンテ氏を後任に指名した。
ホワイトハウスは30日夜に発表した声明で「イエーツ氏は米国市民を守るための合法的な命令(大統領令)の執行を拒否することで司法省を裏切った」と非難した。また、オバマ前政権で任命されたイエーツ氏が不法移民の問題に「非常に弱い」態度を取っているとの認識を示した。
イエーツ氏は2015年、オバマ前政権下で司法副長官に就任し、今月20日の新政権発足に伴い、トランプ氏の求めで長官代行に就いていた。
ホワイトハウスの声明はこのほか、大統領令は司法省法律顧問室で合法性の確認を受けていると強調。入国一時禁止について「7つの危険な場所から旅行する個人に、より厳しい審査を求めることは極端なことではない」と主張した。