ベトナム、観光振興に注力 20年までに収入3.9兆円目指す

 ベトナムは観光業の振興に注力する。政策面で指導的な役割を担うベトナム共産党政治局は、2020年までに観光業を主要産業に育て、観光収入を16年比で2倍の350億ドル(約3兆9568億円)に引き上げる方針を明らかにした。現地紙サイゴン・タイムズなどが報じた。

 同局によると、20年までに外国人旅行者数を1700万~2000万人、国内旅行者数を8200万人とし、観光収入を国内総生産(GDP)の10%とするのが目標だ。

 16年に同国を訪れた外国人旅行者数は1000万人を突破し、過去最高を更新した。01年の4.3倍に拡大している。国内旅行者数は01年の5.2倍となる6200万人。観光収入の合計177億ドルでGDPの6.8%に相当する。

 同国は、経済成長に加えて雇用創出にも不可欠な観光業について、潜在力がまだ十分に発揮されていないとみられている。

 同局は、法整備などと同時に、関連省庁が観光インフラの整備や観光関連商品の開発などに取り組む必要があるとの見方を示した。

 観光振興を後押しする政策として、観光開発が進んでいない地域での投資を優遇するほか、宿泊施設の電気料金引き下げなども検討している。外国人旅行者の増加に向け、査証(ビザ)の免除対象国の枠も拡大する予定だ。

 ベトナム観光協会のブー・テー・ビン副会長は、国の経済成長のためにも観光振興が極めて重要であることを政府が認識しなければならないと指摘する。そのうえで、より詳細な事業計画や数値目標の必要性を強調した。(シンガポール支局)