マレーシア、安価で高水準の医療観光に活気 17年収入30%増予測

首都クアラルンプールの民間クリニックで診察する医師(左)。マレーシアは医療ツーリズム旅行者が今年、100万人に達する見通しだ(ブルームバーグ)
首都クアラルンプールの民間クリニックで診察する医師(左)。マレーシアは医療ツーリズム旅行者が今年、100万人に達する見通しだ(ブルームバーグ)【拡大】

 治療や検診など医療行為を受けることが目的で外国に渡る医療ツーリズムがマレーシアで活気付いている。同国保健省傘下のマレーシア医療観光協会(MHTC)は、今年の医療ツーリズムによる収入を前年比30%増の13億リンギット(約332億2800万円)と予測する。マレーシアは他国と比べて低費用で高度な医療を受診できることが医療ツーリズム拡大の主な要因だ。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。

 同国への医療ツーリズム旅行者数は、2015年が86万人、16年が90万人、17年には100万人を突破するとみられている。MHTCの幹部は、民間病院で医療ツーリズムの受け入れが進み、外国人患者数の増加を後押ししていると指摘する。医療水準の高さや費用の安さに加え、英語を話す医療従事者が多いことなども外国人にとって魅力となっている。

 心臓病やがんの治療、体外受精などが主な受診分野で、整形外科や歯科も人気がある。15年には中国からの医療ツーリズム旅行者が前年比30%増に膨らんだ。今後、医療サービスをさらに向上させて、中国をはじめインドネシアやインドなどからの来訪者数増加を図る。

 マレーシアは国を挙げて医療ツーリズムの振興を目指している。MHTCは昨年、同国を代表する航空会社のマレーシア航空と提携した。医療ツーリズム旅行者は航空運賃を割り引くサービスを開始するなど、医療ツーリズムの拡大に向けて誘致活動を多角的に展開していく。

 米市場調査会社トランスペアレンシー・マーケット・リサーチによると、13~19年に世界の医療ツーリズム市場は年平均17.9%増のペースで拡大し、19年には325億ドル(約3兆6995億円)規模になる見通しだ。なかでもマレーシアは人気が上昇しており、19年には医療ツーリズム旅行者数が200万人に達するとの見方もある。(シンガポール支局)