【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(42) (1/3ページ)

2017.3.17 05:00

ゲストハウスの部屋の前には、塹壕の中で銃撃戦に備えるミャンマー国軍兵士たちがいた=2015年2月、コーカン自治区コンジャン陸軍基地(筆者撮影)
ゲストハウスの部屋の前には、塹壕の中で銃撃戦に備えるミャンマー国軍兵士たちがいた=2015年2月、コーカン自治区コンジャン陸軍基地(筆者撮影)【拡大】

 ■コーカン内戦に巻き込まれて(下)

 私の頭上を弾が飛び交う銃撃戦があり、農業局の建物にいると危険だということで、2015年2月12日、ミャンマー国軍基地内のゲストハウスに収容されることになった。だが、今度はお湯が出る浴室のある個室ではなく、窓ガラスが割れた部屋で吉田実さんと相部屋になった。作戦司令として大佐が赴任し、ヤンゴンから精鋭部隊を率いた中佐がやってきて、それぞれ個室に入ったからである。

 ◆兵士と日光浴

 その日の午後、ベッドに座っていると、若い大尉が来て「横になって寝ていろ」と言われた。私の頭のちょうど後ろにあるガラスに空いた穴は銃弾の痕(あと)らしい。ここの方が危険じゃないか、と少し腹が立った。だが、翌朝、ゲストハウスの下で銃撃戦が始まると、やはりベッドに伏せることにした。

 ベニヤ壁1枚を隔てた隣の部屋からは四六時中ブーピーと騒音が聞こえてきて、夜も眠れなかった。無線を傍受する機器が置かれていたからである。そこの責任者は、60歳近いワ人の准尉で、ミャンマー語のほか、パラウン語、中国語、ワ語に堪能だった。「ワ」は反政府武装勢力の中で最大の戦力を誇る民族で、コーカンの南に自治区を構える。無線で入ってくる諸言語の軍事情報をミャンマー語に翻訳するのが彼の役目だった。

 睡眠を妨害されるだけでは忌々しいので、私はこの准尉から情報を聞き出すことにした。彼の妻が、私が以前調査したことのあるナムサン郡(15年3月20日付「農村見聞録(24)」参照)の村の人だったことが、親しくなるきっかけになった。

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