タイ、観光産業19兆円規模に拡大 10年後にGDPの3割

 タイは、外国人旅行者数の増加などに伴い、観光産業の市場規模が向こう10年間に年平均6.5%で成長すると予測される。英民間非営利団体「世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)」が最新報告書で指摘した。観光産業の市場規模は昨年の2兆9000億バーツ(約9兆3380億円)から10年後に約2倍の19兆円規模へと拡大、国内総生産(GDP)比では約2割から約3割に伸びると見込まれる。現地紙ネーションなどが報じた。

 2016年はタイを訪れた外国人旅行者数が3000万人を突破して過去最高を更新、今後も増加する見通しだ。外国人旅行者の消費額も拡大し、16年の1兆9000億バーツから27年は4兆2000億バーツに膨らむとみられる。向こう10年間の外国人旅行者の消費額は年平均7.3%で伸び、世界平均の4.3%を大幅に上回ると予想される。WTTCは、タイの観光産業の成長度が世界トップ10に入るとみている。

 タイでは、雇用創出面でも観光産業の役割が大きい。16年は570万人の雇用に寄与した。国の雇用全体の15%強に相当する。27年には960万人に拡大、国全体での割合も24.9%に高まる見通しだ。

 政府は、観光産業を経済の成長エンジンと位置付け、投資誘致に注力して同産業の振興を図っている。16年の同産業への投資額は2455億バーツで投資額全体の7.1%に相当した。

 観光産業の振興に向けて、旅行者増に対応するためのインフラ整備や観光資源の持続的な保護など、政府の取り組みが重要な鍵になるとの見方をWTTCは示している。(シンガポール支局)