コーヒー豆の収穫で生豆を振り分けるコーヒー農園の労働者=ブラジル中部グアシュペ(ブルームバーグ)【拡大】
コーヒー大国ブラジルが外国産コーヒー豆の輸入を検討し始めた。干魃(かんばつ)被害が長期化する中、同国内にあるインスタントコーヒー工場の原料不足を懸念する企業が輸入許可を求めているのに対しコーヒー農家は「在庫は十分」と主張し反対しており、政府は頭を抱えている。
ブラジルは比較的価格の高いアラビカ種の産地として知られるが、安価なロブスタ種もスイスの食品大手ネスレなどが同国内の工場で生産し輸出しているインスタントコーヒーの原料として栽培されている。
干魃で収穫高が減少したことを受け、出荷に懸念を持つ一部企業がブラジル農務省に対して、低コストのベトナム産ロブスタ生豆の輸入許可を要請した。これに対し農家はただちに抗議し、テメル大統領は2月に輸入計画を一時的に棚上げした。
サンパウロに拠点を置くインスタントコーヒーメーカーの商業ディレクター、ペドロ・ギマランエス氏は「ブラジル国内のインスタントコーヒーメーカーには農家保護のための輸入規制があり、外国のライバルに対し不利だ」と説明する。同氏によると、ブラジルのロブスタ生豆の収穫は今年、3年連続の不作が見込まれているという。