【専欄】日本文学翻訳のレベルアップ 拓殖大学名誉教授・藤村幸義 (2/2ページ)

2017.4.11 05:00

 受賞論文では旧訳と新訳がどのように違っているかを丹念に調べている。そして最近の日本文学翻訳における新しい傾向として、(1)表紙のデザイン性が向上した(2)わざわざ政治的な立場を説明するための「序文」がなくなった(3)削除されていた性的描写の場面が全面的に復活した(4)原文にできるだけ忠実な翻訳が試みられている、といった諸点を見つけ出している。

 特に注目されるのは、原文にできるだけ忠実な翻訳が試みられている点であろう。例えば舞妓(まいこ)さんが使っている「京紅」は旧訳では、中国にもある類似の単語で代替していた。それが新訳では、原文通りに「京紅」とし、別途注釈をつけて読者に分かりやすく説明している。

 訳者ができるだけ忠実に翻訳するように心がけ始めたことで、日本社会の理解や認識がこれまでよりも進むのは間違いない。日本の言葉がそのまま中国社会に入って、日常的に使われるケースも出てこよう。日中交流が停滞する中で、日本文学翻訳のように相互理解を深めようと努めている人々がいることを忘れてはなるまい。

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