干魃インド、怒りの矛先は外資コーラ (1/4ページ)

 世界の多くの地域で水の安全保障が悪化する中、深刻な水不足に悩むインドで米清涼飲料大手ペプシコとコカ・コーラが苦境に陥っている。専門家は水資源の問題が政治や愛国心の問題に発展し、両社はスケープゴートになっていると指摘する。

 産業振興策で反米化

 インドでは数十年来、利用者間で水資源をめぐる争いが定期的に勃発している。さらにモディ首相の製造業振興政策「メーク・イン・インディア」が愛国心をあおり、時として外国人に対する反感を招いて、地元ブランドへの支援につながっている。政府の調査によれば、成長鈍化に伴い、およそ半数の世帯で就労者が一人しかいない状態にある。昨年の高額紙幣廃止の後には、生活するのがやっとという状況に陥った家庭は多い。

 TCGグループのインド部門でマネジングディレクターを務めるシャクリ・ロカプリヤ氏(ムンバイ在勤)は、コカ・コーラとペプシコの飲料への抗議運動は「経済発展の弱さ故にたまった不満が誤った形で表面化したもの」だと断じる。

 インドの一部の州では過去3年、モンスーンがもたらす雨に恵まれず、河川やダムは干上がっている。農家や工場、国内の水道事業者は井戸水への依存を高めているが、それも枯渇しつつあり、インド経済の屋台骨を担う農家に被害が出ている。

 南部タミルナド州では3月、小売業者の間でコカ・コーラとペプシコの商品をボイコットする動きが広がった。両社による地元タミラバラニ川からの取水禁止を求めた裁判で、マドラス高等裁判所が訴えを棄却した翌日にあたる3月1日からのことだった。

飲料業協会はボイコットを批判