ミャンマー・ヤンゴン市内にある携帯電話販売店でスマートフォンを見る女性ら(ブルームバーグ)【拡大】
道路や電力などのインフラが整備途上にあるミャンマーで、IT化が急速に進んでいる。スマートフォン利用者数は近年爆発的に増え、普及率は今では90%に達した。成長著しい有望市場に韓国のサムスン電子や米フェイスブックなどグローバル企業が熱い視線を注いでいる。
通信自由化が転機
テイン・セイン前政権発足により民政移管が実現した2011年までは、電話は一部の富裕層だけが利用できるぜいたく品で、ミャンマーより携帯電話普及率が低い国は北朝鮮以外なかった。しかし、外国人投資家が全国への導入コストを一部負担したことをきっかけに国内の周波数帯域は民間開放され、ほぼ全ての国民がこれを利用できるようになった。
調査会社ITRのアナリスト、マーク・アインシュタイン氏は「驚異的だ。これほどまでの急成長市場を見たことがない」と目を見張る。
転機となったのは、テイン・セイン前政権が13年に実施した通信市場の自由化だ。これに伴い、ノルウェーのテルノールやカタールのウーレドゥーが進出し、国内の通信網に多額の資金を投じた。国営のミャンマー郵電公社(MPT)も日本のKDDIや住友商事と提携し、20億ドル(約2273億円)規模の投資を受けている。