東日本大震災で被災した半導体大手ルネサスエレクトロニクスを立て直したほか、宇宙など幅広い分野でベンチャーを支援してきた。
ただ出資総額の5割超を占める企業再編では難しい案件も目立つ。筆頭株主となった液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は赤字体質から抜け出せず、工場の統廃合を検討する。東芝の子会社「東芝メモリ」(東京)買収も混迷を深めている。
機構は最後の5年で出資金を回収し、役割を終える。志賀氏は6月に日産自動車の副会長職を外れ、機構の経営により注力する。税金を元手とするファンドとして収益を確保しつつ、次世代に残る成果を残せるか手腕が問われそうだ。