【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(48) (1/2ページ)

得度式の式場を設営する人々。村人総出と言うが、集まったのは、世帯数にして総数の3分の1程度。「二者関係」で他村から来た人も多かった=2017年3月、ヤンゴン管区域フレグー郡(筆者撮影)
得度式の式場を設営する人々。村人総出と言うが、集まったのは、世帯数にして総数の3分の1程度。「二者関係」で他村から来た人も多かった=2017年3月、ヤンゴン管区域フレグー郡(筆者撮影)【拡大】

 ■村は「生活のコミュニティ」

 金銭を伴わない労働交換を共同体的関係という場合がある。ただし当然ながら、それが即座に「共同体」を形成するものではない。ミャンマーではレッサー・アライッ(手間替え)という慣行が知られている。だがこれは個人対個人の「二者関係」で行われるものであり、日本で行われる結(ユイ)のように近隣や親族でグループを形成して、そのグループへの労働拠出を行う、というわけではない。

 ◆一人対一人の関係

 結に似たように見えるグループで、カウッサイッ・スィー(田植え組)が上ミャンマー(中央平原部)の村にはある。ただし、結は内部で労働交換を行う組織であるのに対し、田植え組は外部で稼いでメンバーに賃金を払う組織である。組の頭は、賃金の前貸しによって早乙女を集め、彼女らを田植えに派遣する。組織は頭と個々の早乙女との二者関係で成り立っており、組員相互の結束は全くない。

 日本の村によく見られた頼母子講(たのもしこう)とよく似た金融講もミャンマーの村で散見される。日本的頼母子講は村人が講という組織へ出資し、講中によって集団的に運営される。ミャンマー的金融講は、個人が組織し、この組織者が掛け金やメンバーの出入などの管理をすべて行い、リスクもすべて負う。構成員同士の信頼関係は一切不要であり、組織者と各メンバーとの二者間の信頼によって成り立つ。メンバー同士会ったこともない、誰がメンバーかも知らない、といったこともしばしばある。

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