米銃権利団体が異例の対応 連射装置「バンプ・ストック」の規制を支持 ラスベガス乱射の犯人が使用

 【ワシントン=加納宏幸】銃規制強化に反対してきた与党・共和党の有力支持団体、全米ライフル協会(NRA)は5日、西部ラスベガスでの銃乱射事件を受け、半自動小銃に取り付けて連射を可能にする装置「バンプ・ストック」の規制を支持すると表明した。

 過去の乱射事件であらゆる銃規制強化に反対してきたNRAが前向きな姿勢を示すのは極めて異例だ。米議会では民主、共和両党から装置の所持や販売を禁止する動きが出ており、ホワイトハウスも検討に前向きな考えを示した。

 NRAは声明で銃乱射事件後に自殺した容疑者がバンプ・ストックを使っていたとされることを挙げ、「半自動小銃を自動小銃のように機能させられる装置は追加規制の対象にすべきだ」とし、銃規制を担当するアルコール・たばこ・火器および爆発物取締局(ATF)に検討を求めた。

 バンプ・ストックは100ドル(約1万1千円)から数百ドルで購入でき、半自動小銃に装着すると1分間当たり数百発の連射が可能になる。連邦法で強い規制がかかる自動小銃に改造することを可能にするものだとし、上院で民主党議員が所持や販売を禁止する法案を提出。下院でも共和党議員が提出する動きがある。

 下院の共和党トップ、ライアン下院議長は5日、法案を検討する考えを表明。AP通信によると、トランプ大統領は米議会側と銃規制に関して協議を開始。サンダース大統領報道官は5日の記者会見で同装置を規制する動きを「歓迎しており、(政権として)対話に参加したい」と述べた。