【新興国に翔ける】アジアで成功するための3大セオリー (1/2ページ)


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 □スパイダー・イニシアティブ代表 森辺一樹

 今回は、食品、飲料、菓子、日用品などの消費財メーカーがアジア新興国市場で成功するために必要な3つのセオリーについて述べたい。この3つが確立できていれば、アジア新興国でも高いシェアを獲得することができる。裏を返せば、赤字からなかなか脱却できないメーカーの失敗要因は、この3つのセオリーが最適化されていないからにほかならない。

 まず1つ目のセオリーは、中間層をターゲットのど真ん中に置くということ。実は多くの消費財メーカーは、頭ではこのことをしっかり理解している。しかし、これを実行に移せていない。いつの間にかターゲットが富裕層や上位中間層へと上振れしてしまうのだ。アジア新興国に進出する最大の魅力は、拡大する中間層にある。2030年にはアジア地域の中間層の数は30億人になると予測されている。特に消費財のビジネスは、いかに多くの人に繰り返し買ってもらえるかが勝負なので、中間層をターゲットのど真ん中に置かない選択肢などあり得ない。

 2つ目のセオリーは、戦略的な販売チャネルを構築していくこと。日本の消費財メーカーは欧米の先進的なグローバル消費財メーカーに比べても、商品のクオリティーが高いことは言うまでもない。もちろん、それが現地の中間層に合った商品で、現地の中間層が買いやすい価格になっているかというと話は別で、そのあたりはさらなる企業努力が必要となる。それにも増して日本の消費財メーカーに足りないのが、販売チャネルの弱さだ。

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