なぜ資源大国なのに?! オーストラリアが「世界一電気代が高い国」になる理由 (1/3ページ)

 世界有数の資源大国オーストラリアが、世界で最も電気料金の高い国になるという矛盾に陥っている。石炭からクリーンエネルギーへの転換をめぐる政府の方針が10年間定まらず、電力供給網の整備の遅れに建設費上昇が重なり、電気料金が上昇しているからだ。停電のリスクも高まり、同国への投資を懸念する企業も出始め、影響が危ぶまれる。

 輸出増で供給逼迫

 オーストラリアは石炭や天然ガスの埋蔵量が世界最大級であり、クリーンエネルギーによる発電に理想的な環境にも恵まれている。だが、シドニーの住民が払う電気料金は、ニューヨーク市民の倍だ。1キロワット時当たりの電気料金は南オーストラリア州で約45豪ドル(約4000円)、ニューサウスウェールズ州では約40豪ドルと、米国の約15豪ドルを大きく上回る。オーストラリアでは昨年から、電気料金が2倍に上昇した。

 同国では老朽化した石炭火力発電所を閉鎖し、天然ガスで電力供給を補いながら、徐々に太陽光や風力発電への切り替えを進めていく計画があった。だが、外国勢が高額で天然ガスを買い取り、輸出量が増加。国内の供給が逼迫(ひっぱく)している。

 ターンブル首相は長期的な解決方法を見いだせていない。ガス生産業者に対しては、国内での供給不足へ対処しなければ、輸出量に上限を課すと通達した。一方で電力会社には、老朽化した石炭火力発電所を存続させるよう伝え、先進諸国とは逆に化石燃料への依存を続けようとしている。

首相も及び腰