豪華船上シアターでリピーター狙え (2/3ページ)

 もっとも従来の、経験の浅い役者が演じることが多いブロードウェースタイルのショーや陽気なダンスナンバー、新鮮味に欠けるマジックショーの時代が完全に終わったわけではない。だが、上述したような気鋭のクリエーターという強力なライバル出現を受けて、クルーズ会社は船内娯楽に対する意識改革を迫られているのだ。

 「より多様な趣向や年齢層、国籍のための娯楽空間がもっと必要だ」と、MSCで娯楽・顧客経験部門を率いるゲーリー・グラディング氏は語る。そのため同社は歌手やダンサー、剣をのみ込む曲芸師らが登場する45分間のショーに加えて、2200万ドル(約25億円)を投じて413席のシルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場をメラビリア号に建造した。目玉である空中芸のための装置を完備したこの劇場では、現在2種類のショーが週6日楽しめる。

 米クルーズ大手のノルウェージャン・クルーズ・ラインとロイヤルカリビアンは最新かつ最大の自社客船において、歌や踊りなどで構成された従来の演目の代わりに、ブロードウェーミュージカルの短縮版など目新しいオプションを登場させている。ロイヤルカリビアンは「グリース」や「サタデーナイトフィーバー」を、ノルウェージャンはより最近のヒット作「ロック・オブ・エイジズ」や「アフター・ミッドナイト」を上演している。かつての船上ショーと異なり、これらには本家の作品と同様にセリフや立派な衣装、舞台装置があり、一部では本場の俳優や制作陣も起用している。

続きを読む