【ニュース解説】《アクセル踏むEV》開発競争加速、再編の呼び水に 各国も後押し (1/5ページ)

  • フォルクスワーゲンが日本市場に投入する電気自動車「e-ゴルフ」=6日、東京都江東区
  • 日産自動車の電気自動車「リーフ」の新型モデル=9月6日、千葉市美浜区

 電気自動車(EV)市場が「加速」している。先般開催された東京モーターショーでも、メーカーが最先端の技術をつぎ込んだ試作車を相次ぎ出展。世界的な環境規制の広がりが各社を追い立てるなか、開発競争が激しくなる一方で、業界大再編の導火線となる可能性もある。

 ホンダは新たに開発したEV専用の車台を使った試作車をモーターショーに出展。小型で取り回しがしやすく、19年に欧州で発売されるEVのベースとなる見通しだ。「2020年に日本でも発売する」。八郷隆弘社長は内覧会で、タイミングを計ったようにメディアに表明。EV市場に本格的に攻勢をかけると「宣言」した形だ。

 水素で走る燃料電池車(FCV)を次世代車の本命に位置づけるトヨタ自動車も、人工知能(AI)やコネクテッド技術で運転支援するEVの試作車「トヨタ コンセプト愛i」を発表した。トヨタは昨年12月に、豊田章男社長直轄でEV開発を担う組織も発足させた。

環境規制が背中押す

 EV市場がにわかに活気づいてきたのは、主要国の環境規制の高まりだ。

 米カリフォルニア州ではEVなどの一定割合の販売をメーカーに義務づける規制が18年モデルから始まり、中国でも同様の規制が早ければ18年に適用される。

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