18年度税制改正の全容判明 たばこ税3円増税 観光促進税を創設 (1/3ページ)

自民党税制調査会小委員会に臨む額賀福志郎元財務相(奥中央左)、宮沢洋一税調会長(同右)ら=6日午後、東京・永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)
自民党税制調査会小委員会に臨む額賀福志郎元財務相(奥中央左)、宮沢洋一税調会長(同右)ら=6日午後、東京・永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)【拡大】

  • 日本総研・山田久主席研究員
  • 法政大大学院・真壁昭夫教授

 2018年度税制改正の全容が6日、判明した。焦点だった所得税改革は、子育てや介護世帯の負担が増えないよう配慮しつつ、年収800万円超の会社員や高収入の年金受給者を増税、自営業やフリーで働く人を減税する。たばこ税は紙巻きを来年10月から21年度にかけて段階的に1本当たり3円増税し、加熱式も引き上げる。新税として出国時に徴収する「観光促進税」と、森林整備費を賄う「森林環境税」を創設する。

 いずれの項目も、与党が14日に決定する18年度税制改正大綱に盛り込む。所得税の改革は、控除を見直す形で20年1月からの実施を目指す。ただ、年収800万円超の会社員でも、22歳以下の子を育てる人や介護を抱える人は年末調整で増税分を還付するため、負担増にはならない。増税対象は会社員全体の5%程度。

 所得が高い高齢者も増税とする。年金収入1000万円以上で控除額を頭打ちとし、195万5000円で据え置くほか、年金以外の収入が1000万円超の人は控除を縮小する。これらによる増税対象には約20万人が該当する。

 たばこ税は、1本当たり3.5円引き上げた10年10月以来8年ぶりの増税とする。加熱式も段階的に引き上げる。新税として創設する観光促進税は19年4月に導入し、日本の出国時に1人1000円を徴収。森林環境税は個人住民税に1人当たり年1000円を上乗せする形で24年度の導入を目指す。ゴルフ場の利用料に上乗せして徴収される「ゴルフ場利用税」は存続する。

企業向けでは条件付きで法人税の実質負担引き下げ