自由貿易体制の堅持促す WTO閣僚会議が開幕

 世界貿易機関(WTO)閣僚会議が10日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開幕した。WTOのアゼベド事務局長は記者会見し、「保護主義の脅威に直面しているが、多角的貿易体制を強くしなければならない」と述べ、自由貿易体制の堅持を促した。

 閣僚会議は2年に1度開かれるWTOの最高意思決定機関。トランプ米政権が保護主義的な姿勢を強める中、WTO加盟各国・地域が自由貿易推進で結束できるかどうかが焦点だ。最終日に閣僚宣言の採択を目指すが、難航も予想される。会期は13日までの予定。

 米政権はWTOの紛争処理システムなどに不満を募らせている。中国などとの係争案件を巡り、反ダンピング(不当廉売)関税などの分野で米側敗訴が相次いでいるためだ。アゼベド氏は米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表との会談を前に「WTOシステムの重要性を伝えたい。米国には柔軟性を示してほしい」と語った。(共同)