日英、宇宙ごみの低減で覚書 自動運転やビッグデータ活用に向けた宇宙開発につなげる

 日英両政府は13日、経済協力について議論する「日英産業政策対話」を行い、人工衛星の破片といった宇宙ごみ(スペースデブリ)の低減で協力する覚書を締結した。対策に取り組む企業を評価し、資金調達や損害保険で優遇する仕組みづくりを主導する。

 宇宙ごみは役割を終えた人工衛星やロケットの破片などで、秒速7~8キロメートルの高速で移動し、衝突すれば大事故を引き起こす。10センチ程度のもので約2万個あり、20年で倍増している。

 増加すると、自動運転技術に必要な位置情報や気象情報といったビッグデータの収集に不可欠な人工衛星の打ち上げや宇宙開発の妨げになりかねない。このため、両政府は宇宙ごみの回収や除去を積極的に進めることにした。

 具体的には、宇宙ごみの回収などに取り組む企業を格付けし、上位企業が投資を受けやすくする仕組みをつくる。回収のために小型衛星を打ち上げるベンチャー企業の成長なども期待でき、宇宙産業の育成につなげる狙いもある。

 産業政策対話は8月の日英首脳会談で設置が決まり、この日は気候変動への対応などについても協議した。