再建すべきか、現状のまま保存すべきか… タリバン破壊のバーミヤン大仏

 2001年にタリバン政権が破壊したアフガニスタン中部バーミヤンの大仏を再建するのか、現状のまま保存するのか-。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)で議論が割れている。1960年代から大仏周辺の遺跡の学術調査を続ける前田耕作東京芸大客員教授(84)は「現時点では、これ以上壊れないように補強し、受け継ぐことがタリバンとの対話につながる」と話す。

 2003年に世界遺産に登録されたバーミヤンの仏教遺跡群の保護、調査活動に、日本政府はユネスコを通じて約7億円を拠出。アフガン政府は再建を要望するが、世界遺産の真正性を求めるユネスコは原則として再建を認めてこなかった。

 タリバンは偶像崇拝を禁じるイスラム教の教えに反するとして破壊。その後も、背中部分や大仏が収められていた「仏龕」と呼ばれる大きなくぼみなどは残っている。(共同)