商工中金在り方検討会、結論年越し ガバナンスめぐり隔たり

有識者会議で座長を務める大和総研の川村雄介副理事長(左)=20日
有識者会議で座長を務める大和総研の川村雄介副理事長(左)=20日【拡大】

 経済産業省は20日、不正融資が発覚した商工中金のガバナンス(企業統治)改革など経営の在り方を検討する有識者検討会を開いた。前回に引き続き経営体制などを議論したが進展はみられず、年内に予定していた結論とりまとめは越年が決まった。民営化への移行期のガバナンス体制について議論の溝が埋まらなかった。

 この日の会合は非公開で行われた。民営化する場合の移行期に、地方銀行の業務を圧迫しない政府系金融機関としての役割と、収益を拡大する民間としてのガバナンスをどう両立させるかで意見を集約できなかった。

 中小企業の事業再生や事業承継などを新たな収益源とすることでは一致したものの、座長の川村雄介・大和総研副理事長は「思いは一つでも、民営化すれば、全て事が解決するという簡単な話ではない」と話した。

 また、金融危機などに対する備えとして、「将来に対する漠然たる不安を感じる」と完全民営化に慎重な経産省に同調する意見も出されたという。年内最後となる27日の次回会合は論点整理にとどめ、年明けに結論を示す見通し。