米国債、中国の購入減少も 元相場安定で保有増圧力低下

 米国が膨張する財政赤字を補うため、最大の米国債保有国である中国による購入を必要としているのに対して、中国の購入意欲は低下する可能性がある。そうなれば米国債利回りは上昇する恐れがある。

 米銀ウェルズ・ファーゴによれば、中国人民元相場が2017年の急伸を経て落ち着きを取り戻す中、今年再び盛り上がった中国の米国債に対する購入意欲は減退する公算が大きい。大半のアナリストは18年の人民元相場が現在の1ドル=6.62元近辺の水準を中心に小動きになると予想。相場の安定は為替市場への介入の一環として米国債保有を増やす中国当局への圧力が低下することを示唆する。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が保有資産の規模縮小に着手し、向こう10年間で財政赤字を1兆ドル(約113兆4000億円)増やす恐れがある税制改革案を米議会が協議する中で、米国にとって中国による需要減退をめぐる不安はタイミングが悪い。税制改革案の発表前の時点でも既に、今後10年間に米連邦債務は10兆ドル増大すると予想されていた。

 ジェフリーズのシニア・エコノミスト、トーマス・シモンズ氏(ニューヨーク在勤)は「米国債は厳しい状況に置かれている」と指摘。「極めて大きな2つの国内要因が米国債市場にプレッシャーをかけているが、それと同時に米国債の最大の保有国が身を引きつつある」と語った。

 中国は米国債を約1兆2000億ドル保有し、これは10年前の2倍余りの水準。米国債の発行残高が今年14兆ドルを超える中、米国は中国に頼らざるを得ない状況だ。07年の時点で米国債発行残高は5兆ドル未満だった。(ブルームバーグ Katherine Greifeld、Liz Capo McCormick)