ジェトロ 2018年のBRICS経済を占う(3-1) (1/2ページ)

入院していた軍の病院を退院したブラジルのミシェル・テメル大統領=2017年10月、首都ブラジリア(AP)
入院していた軍の病院を退院したブラジルのミシェル・テメル大統領=2017年10月、首都ブラジリア(AP)【拡大】

 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の経済は2017年に薄日が差してきた。ロシアが実質国内総生産(GDP)で3年ぶりのプラス成長に転じ、ブラジルも回復傾向が強まった。中国は安定成長を重視する方針を維持している。BRICS経済はこのまま軌道に乗るのか。日本貿易振興機構(ジェトロ)の各国事務所がリポートする。

 □ブラジル

 財政健全化に向け改革継続

 ブラジルの2017年実質国内総生産(GDP)成長率は、15、16年の2年連続3%台のマイナス成長からプラスに転じる見込みだ。四半期別の成長率をみると、第2四半期(4~6月期)に前年同期比0.4%増と14年第1四半期(1~3月期)以来のプラス成長に転じ、第3四半期(7~9月期)も1.4%増と回復傾向が強まった。

 回復の原動力はGDPの6割を占める個人消費だ。同項目は第2四半期に0.6%増、第3四半期は2.2%増と推移した。

 消費回復の背景には、インフレおよび金利の低下がある。17年10月時点の拡大消費者物価指数(IPCA)は過去12カ月累計で2.70%と前年同月実績の7.87%から大幅に低下した。商品別にみると、飲食料品がマイナス2.14%とインフレ低下に寄与している。この点は好調な農業生産の恩恵でもある。ブラジル地理統計院(IBGE)の農業調査(17年10月発表時点)では、17年度農業生産高は大豆、トウモロコシなどの主要作物収穫増で前年度比30.0%増の2億4200万トンが見込まれる。実質GDP成長率でも農畜産業は第1~3四半期累計で前年同期比14.5%増を記録し、経済回復にも貢献した。

焦点は良い傾向の持続性