電子商取引で中国包囲網 デジタル保護主義を懸念、日米欧が有志国協定 2月にも初会合 (2/2ページ)

中国のサイバーセキュリティー法
中国のサイバーセキュリティー法【拡大】

 日本がECのルール作りを急ぐのは中国のデジタル保護主義が企業の事業戦略を阻むだけでなく、当局に製品や技術の“手の内”をさらけ出すことで情報の外部流出につながる恐れがあるためだ。流出した情報が中国企業の後押しや言論封殺に使われる懸念も拭えず、日米欧の警戒感は強い。経済産業省幹部は「このまま放置すれば取り返しがつかなくなる」と危機感を隠さない。

 しかもデジタル保護主義には拡散の兆しもある。ベトナムが同様の法整備を検討中のほか、インドネシアやタイでも規制の動きが強まる。中国は昨年12月に主催した「世界インターネット大会」で国家主権の問題としてネットの管理統制を正当化。ラオスやサウジアラビア、セルビアなど現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の沿線国とネット空間の秩序を高める共同提言を発表した。

 中国の動きにはデジタル保護主義の主導で周辺国への影響力を強める狙いが見え隠れする。一方の周辺国には中国からの経済支援への期待に加え、ネット上の言論が体制を揺るがすことを防ぐため規制を強めたい狙いがあるとみられる。

 日本などが目指す有志国協定は中国包囲網を築く意味合いがあるが、協定の効力は参加国にしか及ばない。このため中国の行動を縛るには枠組みに取り込む必要があり、デジタル保護主義払拭に向けた日本の戦略が問われる。