米税制改革が株式揺さぶる モルスタ、ボラティリティー拡大想定

マイク・ウィルソン氏
マイク・ウィルソン氏【拡大】

 歴史家が2017年の米株式市場を振り返ると、1週間ごとの動きはこう記憶されるのではないだろうか。「週の3日間は上昇して2日間は下落、ボラティリティー(変動幅)は全く気にも止められず、指数は終始1%を下回る上昇率だった」と。

 ブルームバーグ・テレビとのインタビューに応じた米金融大手モルガン・スタンレーのチーフ米国株ストラテジスト、マイク・ウィルソン氏はこれら全てが変わろうとしているとみている。

 17年の株価のボラティリティーの小ささを大きな謎とはやし立てる向きもあるが、同氏はそうは考えていない。この背景には着実な経済成長や企業業績の予測可能性、米金融当局との政策意図の共有があると同氏は分析している。

 この中で、「こうした事象は18年に確実に変化する。業績予想や経済指標の乖離(かいり)はさらに広がり、米金融当局は金融引き締めに動く。ボラティリティーの拡大を想定しておくべきだ」と語った。

 S&P500種株価指数が4営業日ごとに高値を更新する中、「恐怖指数」として知られる「CBOEボラティリティ指数(VIX)」は17年の約2割の期間で10%を下回って推移している。銘柄間の連動性低下と経済指標の失望の少なさによってもたらされた着実な株価上昇は、VIXのような不安指数を前例のない水準まで押し下げた。

 ただ、世界各国・地域の中央銀行が市場にフレンドリーな政策を縮小するため、18年は前年ほど好ましいマクロ環境にはならないとウィルソン氏はみる。米国の税制改革により米国企業は信頼性の高い業績計画を立てるのが恐らく難しくなり、株式市場が揺さぶられる可能性がある。

 ウィルソン氏は「利益は増えるだろうが、企業はまだ18年のガイダンスを出していないということを忘れないでほしい」とした上で「企業が期待に応えてくれるかどうか分からない」「新税制は人々が予想しているよりも業績計画の乖離をもたらす」などと分析した。(ブルームバーグ Elena Popina、Sarah Ponczek)