パーム油人手不足 ドローン、クローンで対処

 マレーシアのパーム油プランテーション会社、ユナイテッド・マラッカは、労働力不足や価格変動の問題に対処するため、小型無人機ドローンやクローン、さらには他の農作物に目を向けている。

 同社の最高経営責任者(CEO)であるピーター・ベンジャミン氏は「当社はリスクを緩和するため、2年前から機械化に取り組み始めた。その結果、労働問題による影響は和らぎ、収穫高はかなり回復した」と話す。

 世界第2位のパーム油生産国であるマレーシアでは、生産高が2015~16年にエルニーニョの影響で落ち込んで以降、順調に回復しているとは言い難い。業界全体を通じて、熟練した労働者も不足している。予想を下回る供給量を受け、先物相場は17年下半期に15%上昇した。

 労働者不足に陥ると、適切な時期に収穫ができず、パーム油の抽出率や品質が落ちる。

 このためユナイテッド・マラッカではまず、高温多湿な環境での重労働だったヤシの実の収穫作業を機械で行うようにした。さらに、肥料や除草剤の散布を機械化し、空からの監視にドローンを導入している。

 ベンジャミン氏によれば、同社はクローン技術や交配種を用いた生産高の増加にも取り組んでいる。

 インドネシアでは1000ヘクタールの農園で作付けが完了し、今後3年をかけてさらに6000ヘクタールに新技術を導入する計画だ。同プログラムは導入コストこそ高いものの、「収穫高と抽出率が増えるので、初期投資は早期に回収できる」という。

 同社はまた、カカオやコーヒー、ココナツなど生産する作物の種類を増やすことで、パーム油への依存度を下げている。事業リスクを緩和し、こうした農作物の需要増に伴う機会をとらえたいと考えている。

 エルニーニョの影響で落ち込んだ生産高は、18年には完全に元に戻るとベンジャミン氏は期待している。

 ヤシの実の収穫高は同年4月30日を期末とする1年で12~15%増加するとみられ、同年の相場が軟調であっても収穫高の増加がその影響を緩和し、収益は「そこそこ良いもの」になる見込みだという。(ブルームバーグ Anuradha Raghu)