原油、3年1カ月ぶり高値 北海ブレント70ドル超え、米景気拡大期待

 11日の原油市場で欧州の代表的指標の北海ブレント原油先物相場が一時1バレル=70.05ドルとなり、2014年12月以来、約3年1カ月ぶりの高値を記録した。同日のニューヨーク原油先物相場も4日続伸し、米国産標準油種(WTI)の2月渡しが一時64.77ドルに上昇。世界の原油相場に先高観が浮上している。WTIも11日の終値が前日比で0.23ドル高い63.80ドルをつけ、終値としても14年12月以来の高水準。

 このところの原油相場では、主要産油国による協調減産が続く中、米国の景気拡大にともなう需要増加への期待から需給の引き締まりが意識されている。トランプ米政権が対イラン制裁を再開し、原油調達に影響を及ぼすとの供給不安も相場上昇の要因となった。

 原油相場は16年に入ってWTIが30ドルを割り込む水準にまで下落した。米国のシェールオイル増産に対して、シェアの維持を優先するサウジアラビアが増産で対抗し、相場低迷に拍車をかけたことが背景となった。16年末になり、サウジやロシアなどの主要な産出国が協調減産で合意し、相場の持ち直し傾向が続いていた。(ワシントン 塩原永久)