「中央」の指示を絶対視 子供の凍傷も起きた中国“ストーブ撤去”の背景 (4/5ページ)

 中国政府が許容できる成長率下限は6%台の前半

 このGDP倍増目標を実現するには、2017~20年の平均成長率が6.45%を維持することが必要である。つまり、中国政府が許容できる成長率の下限は、せいぜい6%台の前半とみることができる。成長目標を達成できないと判断すれば、習政権は改革のテンポを遅らせ、景気てこ入れ策を追加してでもGDP倍増を優先させるとみられる。

 第19回共産党大会では、経済成長に関する具体的な数値目標が示されず、GDP倍増についても直接の言及はなかった。そのため、習政権は成長重視路線から決別したとの見方もある。しかし、経済体質の強化を優先し、高成長を追求しないと決断したのであれば、党大会で目標の放棄を明言したであろう。他方、「小康社会」の全面実現には言及しているため、習政権の成長重視姿勢は続いていると判断できる。

 以上より、2018年の成長率は低下するものの、2012年以降のトレンドに沿った緩やかな減速にとどまると予想される(図表3)。

(PRESIDENT Onlineより)

(PRESIDENT Onlineより)

 一強体制がもたらす景気下振れリスク

 このように、習近平総書記の強力なリーダーシップの下で成長と改革が両立するというのがメインシナリオである。強大な権力を手に入れた習政権は、望ましい中国経済の実現に向けて、実体経済をコントロールしていくであろう。

政策判断の遅れ、誤った判断に基づく政策…多くの不安要素