保育無償化負担、私立は国2:都道府県1:市町村:1 公立は市町村全額 (1/2ページ)


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 2020年度から本格実施する保育無償化の費用について、政府が私立の認可保育所は国、都道府県、市町村(東京23区含む)が2対1対1の割合で、公立の認可保育所は市町村が全額を負担する案を軸に検討していることが16日、分かった。地方自治体からは国に全額負担を求める声も出ているが、政府は子育て環境の整備に国・地方が協力して臨む体制を作る考えだ。

 保育無償化は、安倍晋三政権の看板政策「人づくり革命」の柱の一つ。昨年12月に決めた「政策パッケージ」では、0~2歳の保育は住民税非課税世帯を、3~5歳は所得を問わず認可保育所を全世帯無償化するとした。認可外をどこまで対象とするかは、今年の夏までに決める。

 政府は、認可保育所の無償化に必要な費用は国と地方で分担する方針。負担割合は現行の「子ども・子育て支援新制度」を参考にする。現行制度では、認可保育所の運営費は、国が決めた公定価格から市町村が決めた利用者負担額(保育料)を差し引いた部分を、公費で負担している。

 公費負担のうち、私立は国が2分の1、都道府県と市町村が4分の1ずつを負担し、公立は市町村が全額負担している。市町村は別途独自に支出し、利用者の負担額を引き下げることもできる。厚生労働省によると、国の負担額は17年度予算ベースでは7510億円となっている。

「全額を国で持ってほしい」との声もあがるが…