積載容量管理、収益性の鍵 景気拡大で海上コンテナ輸送需要増

 2018年は世界的な景気拡大と貿易依存度(貿易額の対GDP比)の高まりを背景に海上コンテナ輸送の需要は一段と拡大し、大型コンテナ船の投入によって稼働率が抑制され、スポット価格のボラティリティー(変動の大きさ)が拡大する見通しだ。今後もコンテナ船の収益性は、積載スペースをいかに効率的に使うかというオペレーターの管理能力に左右される。

 ◆18年は20%増加

 アジア-欧州路線と太平洋横断の海上輸送に大型船が追加投入され、コンテナ船の積載容量の過剰感がさらに増大する見通しだ。長きにわたる積載容量拡大で生じた需給不均衡は、改善されてきているもようだ。しかし、積載容量が12000TEU(1TEUは長さ20フィートのコンテナ1個分)を超える大型船が投入されれば、18年の最大積載容量は20%増加し大きなリスクとなる。週単位の利用可能積載容量と積載率を管理するオペレーターの能力が、業界における収益性の決定要因となる。

 海運サービス会社のクラークソンズによれば、18年にコンテナ需要は5.3%高まり、供給量の増加率を1.3%上回る可能性がある。海運大手のうちコンテナ船の積載能力が高いのはAPモラー・マースク、メディタレニアン・シッピング・カンパニー(MSC)、CMACGM、中国遠洋海運集団、長栄海運(エバーグリーン)、ハパックロイド、商船三井、東方海外だ。

 ◆貿易不況は過去の話

 世界景気の拡大により、18年もコンテナ船貿易は増加する見通しだ。15~16年の貿易不況は過去の話となった。経済危機シナリオも実現の可能性が遠のき、コンテナ輸送量は引き続き増加が見込まれる。コンテナ貿易額の対国内総生産(GDP)比は17年の成長軌道に戻り、貿易額は世界GDP成長率の倍のペースで増加する見通しだ。これは14年以来の増加率だ。世界のコンテナ取扱量を指数化した「RWI/ISLコンテナ・スループット・インデックス(CTI)」は、今後もこの勢いが続くことを示唆している。

 海運会社が収益性を高めるには、拡大した積載容量を埋めるだけの貿易量増加が必要となる。モラー・マースクや中国遠洋海運集団、川崎汽船、商船三井、日本郵船、長栄海運、ハパックロイド、東方海外など、世界貿易で大きなシェアを握る海運大手が、貿易量の急速な回復から引き続き恩恵を受けるだろう。

 CMACGMとMSCによる22000TEU規模の大型船発注から、業界の厳しい競争環境が浮き彫りになった。合理性や市場のファンダメンタルズに基づく判断もあろうが、市場シェア維持への圧力が両社を再び超大型船発注に向かわせたと考えられる。両社による発注は、モラー・マースク、中国遠洋海運集団、「ザ・アライアンス」に加盟するハパックロイド、日本の商船三井、日本郵船、川崎汽船がこの動きに追随するか、市場シェア低下のリスクを冒すかを試す、18年に向けての業界の試金石となるだろう。

 ◆発注抑制努力に逆行

 過去2年間、海運業界全体が船舶の発注を抑えて効率性向上による輸送力増強に努めてきたが、CMACGM、続いてMSCの大型船発注でこの流れが止まった。より大型の船舶投入と、これによる積載容量の拡大は、引き続き業界のファンダメンタルズに影響を与える主要なリスクだ。

 コンテナ船の運賃は、供給過多な状態から引き続き大幅な上昇は見込みにくいものの、旺盛なコンテナ需要を背景に18年も上昇が見込まれる。17年には、5年間下落し続けた運賃が上昇に転じる見通しで、この数年マイナスで推移していた業界各社の利益も黒字化する見通しだ。供給過剰感からスポット価格のボラティリティーは高まる可能性が高い。しかし需要が増大する中で積載容量を安定確保しようとする顧客の動きから、契約運賃は小幅な上昇が見込まれる。

 海事調査機関ドリューリーは18年の東西航路の平均運賃について、1桁台後半の上昇率を見込んでいる。アジア-北米間ならびにアジア-欧州間の長距離輸送の比率が高い海運会社が、この上昇から最も恩恵を享受するだろう。(ブルームバーグ Rahul Kapoor)