【データで読む】ベトナム 外資参入への期待が株価押し上げ

首都ハノイにあるハノイ証券取引所(ブルームバーグ)
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 世界的な好景気により、東南アジアで株価が上昇している。中でも、ベトナムは2016年初めから株価が上昇基調となり、17年秋以降にその動きが加速した。ベトナムで生産する韓国サムスン電子のスマートフォンなどの輸出が堅調なことに加え、17年11月には乳業最大手の国営企業、ビナミルクの株式がシンガポール企業に一部売却され、外資参入への期待が一段の株高をもたらした。

 ベトナムでは、国内総生産(GDP)の約3割を占めるとされる国営企業のガバナンスや効率改善が課題となってきた。政府は、最大49%としてきた上場企業への外資出資規制を15年9月に撤廃したほか、17年8月には、ハイテク産業の中核拠点設置に対する法人税優遇措置を導入し、外資の活力を取り込む方針を打ち出している。

 また、17年11月にベトナムのダナンで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)において、米国を除く11カ国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の新協定案に大筋合意した。ベトナムでは、衣料品や電気機械などの輸出拡大のほか、さらなる外資参入など、TPPへの期待が広がっており、株高が加速するきっかけの一つとなった。

 ベトナムへの直接投資は、16年まではサムスン電子など韓国からの投資が存在感を示してきたが、17年は日本やシンガポールが火力発電所開発案件を手掛けるなど、金額だけでなく、国籍や投資分野にも広がりがみられる。ベトナムは6%前後の経済成長を続けているが、今後も外資導入に加え、外資の経営ノウハウを生かした国内産業育成を通じて、高い成長ペースを維持することが期待される。(編集協力=日本政策投資銀行)