ベトナム、観賞魚輸出額20%増 17年1~10月 生産拡大に課題

首都ハノイの水族館。ベトナムは経済成長とともに、個人による観賞魚の需要も高まっている(ブルームバーグ)
首都ハノイの水族館。ベトナムは経済成長とともに、個人による観賞魚の需要も高まっている(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、観賞魚ビジネスが転機を迎えている。最大産地ホーチミンの当局によると、2017年1~10月の同国の観賞魚輸出額は前年同期比20.7%増の1758万ドル(約19億3600万円)、輸出量は14.5%増の1625万匹と好調だった。しかし、国内需要も伸びるなか、生産の拡大が追いついていないのが現状のようだ。

 現在、ホーチミンには企業と個人を合わせて290の生産者が養殖池や水槽など約88万平方メートルで観賞魚の生産を行っている。年間生産量は1億3500万匹で、多くは淡水種のディスカスを養殖しているという。同市は20年までに輸出額4000万~5000万ドル、輸出量4000万~5000万匹の達成を目指している。

 国内でも経済成長に伴う中所得層の拡大などを受け、観賞魚の需要は増加傾向にある。しかし、生産者側のビジネス規模が小さく、取り扱う観賞魚の種類も少ないため、供給が追いつかない状況が生まれている。

 専門家は、需要が増えているにもかかわらず、生産者側に養殖する魚種を広げる動きがみられず、業界全体として多様性が欠如していると指摘する。需要に対応し、業界の成長を実現するためにもビジネス拡大が必要との考えだ。

 また、消費者が観賞魚を飼うコストは、魚自体が1割程度、残り9割が水槽やその他の機材だとも指摘、魚以外のサービスを充実させることで、業界の付加価値向上を図れるとした。

 このほかにも、養殖設備・施設の近代化や交配技術の向上など、ビジネス拡大に向けた課題は多い。ホーチミン市は、養殖技術刷新に対する支援や生産者への低利融資などを行っており、ビジネス拡大を後押しする姿勢を示している。(シンガポール支局)