ファーウェイの米国進出を一蹴 ベライゾンも諜報懸念、スマホ販売中止 (1/2ページ)

 米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製のスマートフォンを米国で販売する計画を断念したことが、30日までに分かった。米AT&Tもベライゾンと同様に新型スマホ「メイト10プロ」の米国での販売計画をすでに中止しており、米スマホ市場への本格参入を目指す華為の成長戦略に暗雲が立ちこめている。

 安保リスク、政府圧力

 米国では、スマホ端末の大半が通信事業者を介して取引される。AT&Tとベライゾンの大手2社の支援がなければ、市場シェア上位に食い込むことはできない。このため、米スマホ市場への本格進出に黄信号がともったといえそうだ。

 提携が頓挫した背景には、中国製品を通じた諜報活動を警戒する米政府からの圧力がある。華為のメイト10プロは米アップルや韓国サムスン電子との競争を見据えた戦略製品。関係者によれば、2019年までに第5世代(5G)移動通信網対応版の販売が計画されているという。

 5G通信網はスマホから自動運転自動車、人工知能(AI)などあらゆる用途での利用が見込まれる。そのため、米安全保障当局や議員の一部から、中国政府と密接な関係を持つ可能性のあるメーカーによる5G対応スマホは、安全保障上のリスクにつながると危惧する声が上がっていた。

 調査会社レコン・アナリティクスのアナリスト、ロジャー・エントナ氏は「他人のスマホを遠隔操作できるようになれば、多くの犯罪が起こるだろう。最悪の場合、防衛関連企業やチップメーカーの従業員が所有するスマホのマイクやカメラを勝手に起動し、安全保障に関わる情報を盗むこともできてしまう」と警鐘を鳴らす。

遠ざかるアメリカ市場