USTR代表「一定の進展」 NAFTA再交渉第6回会合

 カナダのモントリオールで開かれていた米国とカナダ、メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉第6回会合が29日閉幕した。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は「一定の進展があった」と評価する一方、「不確実性を減らすため交渉のスピードを上げる必要がある」と強調した。

 ライトハイザー代表とカナダのフリーランド外相、メキシコのグアハルド経済相は同日朝に非公式に会談した後、記者会見に臨んだ。

 ライトハイザー氏は「次回会合までに一層の進展を望む」と発言。「現状に合ったものに改定すること、均衡を取り戻すことが必要だ」と述べた。

 フリーランド外相は「これまでの進展に満足している」としたほか、グアハルド経済相は「3カ国が合意成立に向け正しい軌道を進んでいる」と述べた。次回会合は来月下旬にメキシコで開かれる。

 交渉を進める上で懸案となっているのはNAFTA離脱をちらつかせるトランプ米大統領の存在だ。米製造業の雇用減少につながるとしてNAFTAに批判的な立場を示してきた大統領は先週、再交渉が失敗に終われば離脱すると表明した。

 NAFTA再交渉では自動車や乳製品、紛争解決手続き、政府調達ならびに加盟3カ国が協定更新に合意しない限りNAFTAが5年後に失効する「サンセット条項」に関する米国の要求が最大の争点になっている。

 今回会合では、米国が求める乗用車の関税をゼロにする基準の厳格化に関する打開案をカナダが非公式に提示したが、ライトハイザー氏はこの提案を「曖昧だ」と批判した。

 これまでのところNAFTA崩壊は回避できているが、見解の相違を埋めるために再交渉協議の決着は今後数カ月以上を要するとみられる。今回の第6回会合では、腐敗対策をめぐって進展が見られた。過去の会合では中小企業対策や競争政策に関する分野で合意している。

 カナダとメキシコは「課題は残る一方でこれまでの進展は重要だ」と評価している。フリーランド外相は「喜ばしいことに交渉は実を結び始めている」とコメント。グアハルド経済相は「なお課題は残るが、交渉妥結に向けた着地点を見いだすために正しい方向に進んでいる」と述べた。(ブルームバーグ Andrew Mayeda、Eric Martin)