アライグマ専用捕獲器を埼玉県が開発 (1/2ページ)

アライグマ専用捕獲機(県提供)
アライグマ専用捕獲機(県提供)【拡大】

 野生のアライグマによる農作物や住宅への被害が全国的に相次ぐなか、埼玉県は民間企業と協力しアライグマ専用捕獲器を開発し、県農業大学校で発表した。従来の捕獲器は、ネコやタヌキなどの別の動物がわなにかかってしまうこともあった。県は「アライグマ専用の捕獲器はおそらく全国でも初めて」と期待している。(飯嶋彩希)

 県農業技術研究センターなどによると、アライグマは北アメリカが原産。平成17年に防除の対象となる特定外来生物に指定されている。

 見た目のかわいらしさからペットなどとして輸入され、ブームを巻き起こしたが、成長すると凶暴化する個体が多く、手に負えなくなって捨てられるケースが相次いだ。手先が器用なアライグマは自分でケージから抜け出すこともあり、野生化した個体は繁殖を繰り返して分布域を拡大している。農作物への被害のほか、日本従来の生態系への影響が懸念されている。

 県内でも被害は深刻化している。28年度には、計約1600万円の農作物への被害があった。

 生息数自体が増加していることもあるが、捕獲器設置などの対策強化により、捕獲数は26年度3554匹▽27年度3482匹▽28年度5244匹-と増加傾向にある。