コインチェックが日本円の引き出しを13日に再開するのは、流出問題による混乱解消へ“一歩前進”といえる。だが、多くの被害者のほとんどの資産は流出したネムやビットコインなどの仮想通貨。出金の見通しは立っておらず、不安は残る。一方で流出問題を受け、他の取引所は顧客資産を守るための安全対策を優先する姿勢をアピール。顧客の不安を払拭しようと躍起だ。
コインチェックが顧客の資金を管理する口座として公表しているのは、りそな、住信SBIネット、あおぞら、オリックスの4銀行で、数百億円の残高があるとされる。日本円の支払いは、これらの口座から行われるとみられる。
ただ、コインチェックが顧客から預かる資産の口座と取引所本体の口座を区別して管理しているかどうかは不明だ。日本円の出金再開後、支払いに運転資金を充てることになれば、コインチェックの経営が立ちゆかなくなる可能性もある。
東京都新宿区の男性(28)はコインチェックに入金した60万円を全て仮想通貨にしており、日本円を出金できない。「事業継続が危うくならないか心配」と不安を隠さない。別の利用者は、「コインチェックから出される情報が少なすぎる」と話した。