2018春闘 新日鉄住金など要求提出 3%賃上げ、実現なるか (1/2ページ)

新日鉄住金の右田彰雄常務執行役員(右)に春闘の要求書を手渡す同社労働組合連合会の大森唯行会長=9日午前、東京・丸の内
新日鉄住金の右田彰雄常務執行役員(右)に春闘の要求書を手渡す同社労働組合連合会の大森唯行会長=9日午前、東京・丸の内【拡大】

 ■3%賃上げ、実現なるか

 新日鉄住金や三菱重工業など、鉄鋼や造船などの大手企業の労働組合が9日、春闘の要求書を会社側に提出し、2018年の労使交渉が始まった。安倍晋三首相が経済界に3%の賃上げを要請し、多くの企業で好業績を記録する中、政府の求める水準の賃上げがどこまで広がるかが注目される。米長期金利の上昇や株式市場の急落で経営側の警戒感は強まっており、厳しい交渉になることも予想される。

 新日鉄住金労働組合連合会の大森唯行会長は同日、東京都内の本社で右田彰雄常務執行役員に要求書を手渡した。

 鉄鋼大手では2年分まとめて交渉するのが通例で、新日鉄住金労組は今回、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分で、18年、19年ともに月額3500円を求めた。

 鉄鋼などとともに、労使交渉の牽引(けんいん)役となる自動車や電機大手の各労組は来週一斉に要求を提出。約1カ月交渉し、企業の回答は3月14日に集中する見込みだ。

 今春闘の最大の焦点は賃上げ率3%を実現できるかだ。大手各社のベアや賃金改善分の要求は率にすると1%前後。これに定期昇給(定昇)分2%を合わせ、約3%の賃上げを要求しており、経営側から満額回答を引き出せるかにかかっている。

主な大手企業労組の春闘要求