台風の目は独コメルツ銀 欧州の大手行合併 3つのシナリオ

独フランクフルトにあるコメルツ銀行の本社(ブルームバーグ)
独フランクフルトにあるコメルツ銀行の本社(ブルームバーグ)【拡大】

 欧州の大手銀行の合併は理にかなっている-。これが、先月にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)に集まった金融業界幹部の意見だった。

 消費者向け銀行業務を統合すればコスト削減になり、フィンテック新興企業からの攻勢をかわす助けになる。トレーディングのような変動が激しく必要資本が大きい事業を大規模に展開する銀行は、安定して高い利益を生む事業への多様化がリターン向上に役立つ。

 ブルームバーグが聞いた10人の銀行幹部はこの見方を共有し、ドイツのコメルツ銀行が台風の目になると多くが回答した。幹部らが挙げたシナリオは以下の通り。

 【コメルツ銀行とBNPパリバ】

 欧州の競合銀行が投資銀行事業で退潮を続ける中で市場シェアを伸ばしているBNPは、コメルツ銀株15%の取得についてドイツ政府に昨年接触したとされている。BNPがコメルツ銀行を買収すればドイツの中小企業を顧客に取り込むことができ、幹部の多くが想定した最有力買い手候補がBNPだった。米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントがコメルツ銀株の保有を5%まで増やしていることも買収実現の観測を強める。

 【コメルツ銀とドイツ銀行】

 サーベラスはドイツ銀株も約3%保有している。ドイツ銀のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は欧州の銀行業界再編を呼び掛けており、2016年にコメルツ銀行と協議を持ったと事情に詳しい関係者が当時述べていた。ドイツ銀とコメルツ銀の国内リテール事業を統合すれば、ドイツの中小企業向け融資事業でほぼ無敵となる。

 【コメルツ銀行とウニクレディト】

 イタリアのウニクレディトの幹部も昨年コメルツ銀行についてドイツ当局に接触。関係者によると、コメルツ銀の事業再編が完了した時点での統合の可能性をめぐり協議したという。このほか、英ロイズ・バンキング・グループが欧州大陸に進出するほか、オランダのABNアムロが仏BNPパリバかドイツ銀、ウニクレディトに買収される。ウニクレディトがドイツ銀または仏ソシエテ・ジェネラルと統合するなどが予想されている。(ブルームバーグ Elisa Martinuzzi、Ruth David)