対米最強の武器にジレンマ 中国、大豆輸入制限なら豚肉高騰も (1/2ページ)

 米国と中国の間で貿易をめぐる緊張が高まる中、潜在的な貿易戦争で中国が使用し得る最も強力な武器として一つの穀物が浮上している。それは大豆だ。

 中国は米国産大豆の最大の輸入国で、主に4億頭前後の養豚用飼料として使われる。関係者によると、米政府が洗濯機と太陽光パネルに関税を課すことを決めたことへの報復として、中国の習近平政権は米国産大豆の輸入を制限した場合の影響を調べているという。

 中国当局が大豆の輸入を制限すれば、トランプ氏が2020年の次期大統領選で再選を決めるために支持が必要となる中西部の農業従事者らに影響が直接及ぶことになる。

 だが、習主席にとってもこれは大きなリスクとなりそうだ。中国は世界最大の養豚国であり、消費国だ。養豚業者のコストが上がれば、約13億人の中国国民向けの豚肉価格も上昇する可能性がある。

 食品価格の動向は中国共産党にとって長らく政治的に敏感な問題となってきた。1949年に中華人民共和国が成立したのは、経済政策の失敗に伴うハイパーインフレが背景にあった。80年代後半は豚肉からエレクトロニクス製品まで価格が上昇し、結果的に天安門事件に至る不満を招いた。

 民間の穀物コンサルティング会社、上海匯易の李強チーフアナリストは、中国にとって「大豆を使って米国に報復するのは最悪のシナリオになり得る」と指摘。「豚肉は中国人にとって必需品だ」と話す。

「中国にとっても米国にとってもつらいこと」