海図などで活用される海底地形の公式名について、中国が近年、日本の命名地形が多い排他的経済水域(EEZ)周辺の西太平洋で命名活動を活発化し、2011年以降で28件の名称を付けたことが24日、分かった。日本が大陸棚延長を主張し、中国が反対の立場を取る海域でも昨年、初めて中国名が承認され、進出を図る海域の状況把握を着々と進めている。今後、日本のEEZ内で命名活動を展開する可能性もあり、外務省が警戒を強めている。
中国は、各国領海外の海底地形名を審査する国際会議「海底地形名小委員会」(SCUFN、スカフン)に初参加した11年の24回会合から日本のEEZ外側で海底地形名の申請を始め、南鳥島(東京都小笠原村)周辺で4件を命名。翌年以降は沖縄南方の日本のEEZ境界付近などでも申請して中国名を増やしている。
29回会合(16年)では、日本が大陸棚延長を申請している沖ノ鳥島(小笠原村)南方の「九州パラオ海嶺南部海域」南端周辺で中国名8件を申請。承認されなかったものの、30回会合(17年)で二十四節気にちなむ「立春海山」「清明海山」など中国名6件が初めて認められた。