インドでの交通事故死、減少に転じるも依然高水準 継続的な取り組み重要

西部ムンバイの幹線道路。インドは交通事故死が世界最多とされている(ブルームバーグ)
西部ムンバイの幹線道路。インドは交通事故死が世界最多とされている(ブルームバーグ)【拡大】

 インドは2017年、交通事故による年間死亡者数が減少に転じた。同国の最高裁判所交通安全委員会の統計によると、17年の死者数は14万6377人で前年から3%減少した。9月までは5000人を超える減少幅だったものの、最終的には4560人減に終わったことで、専門家らは継続的な取り組みの重要性を訴えている。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。

 17年の交通事故死亡者数を州別にみると、最多は北部ウッタルプラデシュ州の2万142人、2番目は南部タミルナド州の1万6157人だった。前年比の増減をみると、北部パンジャブ州で15.7%減だった一方、北東部ビハール州では10.8%増となるなど州によって幅がみられた。

 同国は、モータリゼーションの進行とともに交通事故も増加傾向にあり、死亡者数が世界最多とされる。13年から16年にかけては13万7423人、13万9671人、14万6133人、15万935人と増加が続き、17年は減少に転じたものの依然として高水準にとどまった。

 交通の安全確保は同国の重要課題の一つとされており、17年は1988年に制定された自動車法の改正案が下院を通過した。この改正案では免許システムや交通管理・監視システムのデジタル化や、シートベルトやチャイルドシート、ヘルメットといった保護装置・器具の装着義務化のほか、飲酒運転や速度超過に対する罰則強化も盛り込まれている。

 専門家は、インドが2015年の交通安全に関するブラジリア宣言の署名国であることを指摘、20年までに交通事故死を半減させる条約の目標達成に貢献するためにも、自動車法の改正が欠かせないと強調した。(ニューデリー支局)