【高論卓説】東京23区大学の定員抑制 学問・研究の自由を無視した愚策 (1/3ページ)


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 今国会も地方の私学をめぐる諸問題から始まった。憲法改正案についても教育無償化で政党間の綱引きがあり、まち・ひと・しごと創生法に関わる案件で政治が動いている。働き方改革にしても、人の大きな問題である。

 大学関係者にとって「地方大学振興法」(地域における大学の振興および若者の雇用機会の創出による若者の修学および就業の促進に関する法律)が話題の中心であるが、特に東京23区内の大学経営者は、近年に例がないほど政治と向き合わねばならなくなっている。この法案の第十に「特定地域内学部収容定員の抑制等」があって、私どもを金縛りにする。

 ここでいう特定地域は東京の特別区たる23区を指す。既に文部科学省の告示で定員増や新設学部学科を現状の定員内でしか認めないというもの。もちろん大学の新設も認められず、意欲持つ大学関係者を落胆させている。地方大学を活性化させるための施策だが、あまり感心できる法案とは思えない。

 かつて工場等制限法が制定され、産業や人口の過度の集中を防止する目的に加えて、なぜか同時に大学なども特定地域から排除される対象となった。で、有力私大は都内から近郊へキャンパスを拡大させた。しかし若者は都内志向が強く、有力私大は大学などの立地規制がなくなると都心部回帰へとかじを切った。国の規制緩和政策で都心の有力大学はよみがえり、都内の学生数は大きく膨らむ。

地方大学を救うには手遅れ