最低所得保障、是か非か実験 潜在的な失業解決 IT長者は支持 (1/3ページ)

 政府は全国民に対して無条件で何の質問もせずに、一定の年収を保証すべきだろうか。これはリベラル系の人々が気に入りそうなアイデアに思える。しかし、現在ほとんどの国でセーフティーネットを構成している多数の現行制度を廃止し、その代わりとして固定収入を導入するとしたらどうだろうか。保守派には受けるかもしれないが、リベラルの拒否反応を引き起こすだろう。この構想は最低所得保障(UBI)として知られているが、米国では「万人のための社会保障」と言い表されることもある。欧州、アフリカ、北米の特定の地域で実験が計画されており、一部では既に進行中である。その結果によっては、長年にわたる論争、すなわちセーフティーネットはどのくらいの規模であるべきか、そして勤労奨励策と保護対策をどのように組み合わせればセーフティーネットの効果が上がるのか、という論争の風向きが変わってくるかもしれない。

 消費者の反発かわす

 最低所得保障(ベーシックインカム)の最大の支持者の何人かは、シリコンバレーにいる。ここでは、マーク・ザッカーバーグ氏やイーロン・マスク氏のようなテクノロジー億万長者が、この制度を自動運転車やロボット工学をはじめとするさまざまな自動化から生じる潜在的な大規模失業(そして、消費者の反発)に対する解決策であると見なしている。

 ベンチャーキャピタル企業のYコンビネーターは、カリフォルニア州オークランドの100世帯を対象とした独自の実験に、スポンサーとして資金を提供している。他にも、数えきれないほど多くの実験的な試みが世界中で準備または進行中である。

フィンランドやケニアでも