65歳以上の介護保険料、月額6000円超に 県庁所在地・政令市の34市区

 4月に3年ぶりに改定される65歳以上の高齢者の介護保険料(基準額)について、都道府県庁所在地(東京は都庁のある新宿区)と政令指定都市の計52市区のうち65%の34市区で月額6000円を超す見込みであることが、共同通信の調査で分かった。85%に当たる44市区で引き上げられ、据え置きは8市にとどまる。

 多くの自治体で値上げするのは、高齢化の進行で介護サービスの利用が増え給付費が増加することや、事業者に支払う報酬が4月から0.54%引き上げられるため。介護施設の整備を進めていることも影響した。介護保険制度が発足した2000年度の介護総費用は3兆6000億円だったが、18年度予算案では11兆1000億円と約3倍になる。今後も保険料値上げは続く見通しだ。

 65歳以上の介護保険料は市区町村や広域連合ごとに決まり、3年に1度見直される。共同通信は3月上旬までに52市区に4月からの保険料(議会の議決前の議案や計画段階を含む)を聞き、全ての市区から回答を得た。保険料の平均は月6192円で、3月分までの平均(5815円)から377円増える。

 500円を超える増額となるのは14市で、うち2市は1000円台の大幅な上昇となる。年金収入のみに家計を頼る高齢者には負担が重くなる。据え置いた自治体は基金を取り崩すなどして財源の一部に充てる。

 4月からの保険料が最も高いのは大阪市で7927円。那覇市の7055円、長崎市の6800円が続いた。最も低いのは宇都宮市の5281円。千葉市は5300円、さいたま市は5421円となる。最高と最低で2646円の差がついた。個別事情があり一概には説明できないものの、一般的には高齢化率や要介護の認定率が高い自治体ほど保険料が高くなり、その逆では安くなる。

 全国約1700自治体の15~17年度の平均保険料は月5514円。制度発足直後の00~02年度は2911円だった。4月からの全国平均額は厚生労働省が4月ごろに発表を予定するが、6000円前後になる可能性がありそうだ。