米輸入制限23日発動 政府、除外要請を強化「粘り強く協議」 (2/2ページ)

 WTO提訴も選択肢

 日本政府も米国との交渉が不調に終わった場合、WTOへの提訴も排除していない。だが、現実的には「一方的措置の応酬は、どの国の利益にもならない」(世耕氏)とし、できる限りWTOへの提訴も含め、EUや中国などが検討する報復措置は避けたいようだ。

 日本政府が最も恐れるのは、各国が緊急輸入制限(セーフガード)を発動するなど、雪崩を打って米国への対抗措置に動くことだ。経産省の首脳は「自由貿易の崩壊の始まりになるのが怖い」と憂慮する。貿易量が縮小すれば、世界的な景気悪化につながりかねないからだ。

 日本政府は緊密な日米同盟を背景に対話を重視。「仮に輸入制限が23日に発動しても、当面は適用除外を求め、粘り強く米国と協議していく」(経産省幹部)構えだ。(大柳聡庸)