【中国全人代】李克強首相、手足もがれ2期目スタート 経済、外交でも存在感低下 (1/2ページ)

 【北京=三塚聖平】18日に開かれた全人代で李克強首相の再選が決まったが、2期目が本格化する習近平政権における李氏の存在感低下が指摘されている。2013年の就任後は、「リコノミクス」と名付けられた経済政策が海外で注目されたが、最近は習氏と近い人々により権限を狭められて、手足をもがれたような状況に陥っている。

 「富強、民主、文明、調和がとれた美しい社会主義現代化強国建設のため努力奮闘する」

 18日午前、人民大会堂のひな壇で李氏は、右手を挙げて中国憲法に宣誓した。前日に国家主席に再選された習氏が宣誓式を行った際には、涙を流しながらその様子を見つめる代表の様子がニュースで流れていたが、この日はそのような高揚感を感じられず、李氏の印象は薄かった。

 「習氏は李氏の影響力を落とすため、ありとあらゆる手を使ってきた」

 中国共産党関係者は、ここ数年続いた両者の対立の厳しさを指摘する。

 党幹部の子弟らが中心の太子党のトップと目される習氏に対し、李氏は前国家主席の胡錦濤氏とともに共産党の下部組織、共産主義青年団出身者で構成する共青団派を率いてきたが、習氏が主導する反腐敗キャンペーンで共青団派幹部が多数失脚。李氏はじわじわと影響力を奪われてきた。

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