「中国のハワイ」皮算用 海南島にカジノ容認、外貨獲得と地域活性

 中国南部に位置する海南省で「中国のハワイ」と呼ばれる海南島が、大きな変化を遂げるかもしれない。より多くの観光客を呼び込んで外貨を獲得するため、中国政府はビザ(査証)の発給要件を緩和したり、新空港を建設することに加えて、海南島でギャンブルを認めることを検討しているという。ブルームバーグが2月2日、関係者の話として報じた。

 UOBカイ・ヒアン・インベストメントのアナリスト、ウェンディ・リュー氏(上海在勤)は「マカオでの手法が取り入れられれば、海南島の観光業や娯楽産業はギャンブルの容認に伴って大きく成長するだろう。ショッピングモールやホテル、不動産開発業者にとっても海南省の魅力が増す可能性がある」と述べた。

 ◆改革開放40年の節目

 中国の改革開放40周年という節目の年を際立たせるための政府のこうした取り組みによって、恩恵を受けているのは地元の企業などだ。その代表的なケースをいくつか挙げてみよう。

 観光業の成長とギャンブルの容認により、海南島に今後、開発の波が押し寄せると予想されることから、不動産・リゾート開発業者は直接的に利益を享受できる。中国のコングロマリット(複合企業)である復星国際は100億元(約1680億円)を投じて、海南島南岸に豪華なリゾート施設「アトランティス・サンヤ」を建設している。ホテルや水族館、ショッピングアーケードなどを備えたこの複合施設は、2018年第2四半期(4~6月期)に開業予定だ。

 開発が活発化すると、建設会社やインフラ関連企業にも朗報となる。中国の指導者らは既に、海南島の西海岸に国際空港を建設することを承認したという。海南島には現在、空港が3つあるものの、全ては東海岸に位置する。海南島でのギャンブル容認の可能性をブルームバーグが報じた2月2日、空港サービスを提供する地元企業、HNAインフラストラクチャーの株価は約13%急騰した。

 中国本土からの観光客が増加すれば、ホテルだけでなく島内の小売店や飲食店、旅行会社も広く恩恵を受けるだろう。UOBカイ・ヒアン・インベストメントのエグゼクティブディレクター、スティーブン・レオン氏(香港在勤)は、旅行会社の得る利益はカジノリゾートの規模に左右されるものの、「かなり大きくなる」と考えている。

 ◆マカオと顧客争奪戦

 海南島の魅力が増すことになれば、カジノ事業で活況に沸くマカオから海南島が観光客の一部を奪うようになるかもしれない。マカオには確かに競争に耐える十分な強さがある。加えて、カジノを容認する新たな特別行政区を海南島に設置できるにはまだ何年もかかるとみるアナリストもいる。しかし、マカオのカジノ業者は年間330億ドル(約3兆5100億円)に上る賭博業収入をめぐる競争に備える必要がありそうだ。(ブルームバーグ Hannah Dormido、Prudence Ho)