インド国内の所得格差拡大 最富裕層資産、GDP15%相当

インドの百ルピー札。国内の貧富の差は拡大している(ブルームバーグ)
インドの百ルピー札。国内の貧富の差は拡大している(ブルームバーグ)【拡大】

 インドでは最富裕層の資産総額が国内総生産(GDP)の15%に相当する。非政府組織(NGO)のオックスファム・インディアが2月に発表した2018年年次リポートで明らかにした。現地紙タイムズ・オブ・インディアが報じた。

 このリポートによれば、インド国内の所得格差は過去30年間で大きく広がり、最富裕層の資産総額がここ5年間で10%増加した。17年の最富裕層は101人だった。オックスファムは、17年にインドで生み出された富の73%を国民の1%に当たる富裕層が占めていると指摘する。

 リポートでは「インドは最富裕層がクローニー・キャピタリズム(縁故型資本主義)や相続などを通じて富の大部分を独占している半面、最貧困層の所得水準が一段と低下している」と分析した。オックスファムのニシャ・アグラワル代表は「こうした貧富格差の背景には、1991年の経済改革と一連の政策がある」と補足する。同リポートは、労働より資本、未熟練労働者より熟練労働者を重視する政策判断などがインドの経済成長を牽引(けんいん)してきたとしている。

 また、今年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)開幕前にオックスファムが発表したリポートによれば、昨年1年間でインドの最富裕層の資産は20兆9000億ルピー(約34兆2800億円)余り増加した。一方、最貧困層(約7700万人)の所得の伸びはわずか1%にとどまった。

 アグラワル代表は、格差拡大の流れを変える施策として、直接税の課税方法を見直して富裕層から税の徴収を増やすとともに貧困層向け行政サービスを充実させることを挙げる。これにより、「インド国民全体により均等な所得向上機会が与えられ、高度経済成長の恩恵を広範囲に行き渡らせることができる」と強調した。(ニューデリー支局)