【中国を読む】「落としどころ」の見極め必要 米中貿易戦争、日本への影響は (2/3ページ)

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 これを受けて、中国政府は翌4日に追加的な対抗措置の実施を発表した。制裁の対象は大豆やトウモロコシ製品のほか、自動車や航空機など106品目に及び、年間の輸入額は500億ドルと米国による対中個別制裁と同等の規模になるとしている。

 米国の大豆輸出をめぐっては、その6割以上を中国向けが占めており、これに制裁を加えることは米国経済に対して最も直接的に打撃を与えることができる。一方、中国は飼料用穀物の多くを輸入に依存しており、制裁の実施は翻って食料品価格の上昇を通じて国民生活に悪影響を与える。

 制裁対象に含まれるコーリャンは中国で最もポピュラーなお酒である白酒(パイチュー)の原料であり、中国の対抗措置は「もろ刃の剣」と捉えることもできる。

 なお、米国の対中個別制裁が発動されるのは、5月中旬に行われる公聴会の後であり、約2カ月以上は時間的猶予がある。さらに、中国政府高官も対抗措置発表の場で強気の姿勢をみせる一方、米国との対話の可能性を模索する姿勢をみせており、今後は両国による水面下での協議が行われるとみられる。

 トランプ大統領は自身の会員制交流サイト(SNS)で貿易戦争を否定するコメントを行ったほか、貿易赤字の削減に向けた交渉に臨む姿勢をみせた。

 その一方で、中国の対抗措置を受けて、米通商代表部(USTR)に対して1000億ドル規模の追加関税検討を指示しており、その真意を推し量ることは難しい。

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